████が好きな物事を書きます

████(U_Plus_2588)が好きなことや好きな物について書きます。

特定はどのように起きるか

インターネットをしていると、特定が発生することがあります。特定というのは、インターネット上の誰かしらの、本人が公開している自覚がない顔写真や所属先や本名などを把握することです。逆もあります。現実の知り合いのインターネット上のブログを見つける、などです。こういうことはわりとあって、去年だけでも10人ぐらいは発生していたんですけど、どうしてそういうことが起きるのかという話です。このブログは、好きに物事を書いているだけであって、特定することが好きとかそういうわけではないです。

そもそも論として、特定されるとなにか困るのか?と言われたら、見た限り実際そんなに困ったことにはまずならないっぽいです。嫌だなと思うのであれば気をつけてくださいという感じです。

大概は自爆で、ごくまれに他爆です。そのなかでも多かったのが、Twitterのプロフィール欄にあったamazon欲しいものリストを開いて見てみたら本名出てた、というパターンです。詳しくは以前メンヘラ.jpにて書いた記事をご覧ください。

menhera.jp

当然ながら写真からも特定は発生します。今時の写真、特に自撮りなんかとなると真を写すというより偽を写すじゃないかという感じもするんですけど、風景だったら看板に地名が書いてあるとか、買い物の写真だったらラベルに店名が書いてあるとか、欲しいものリストから何か届いた嬉しさで加速したあまり住所氏名電話番号すべて写ったままTwitterに写真UPしてしまったとかの真実があります。具体的にはこんな感じです。

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 この写真の撮影地を特定すると以下の地点になります。

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ファミリーマートの上に鳥貴族、隣にはマクドナルド、間違いなく一致していますね。どういう手順かと言いますとこれがまたきわめて単純で、ファミリーマートの看板の右端に小さな黒い文字がありますが、ここに店舗名が書いてあるので、検索すれば場所がわかるというだけです。hatenaの仕様上、画像がリサイズされていてここでは再現できないかもしれませんが。

 

 特定やってみたら割りとできた人たちの声です。つまり、特別なスキルがいるわけはなくて、やればできる、その程度のことなのです。ていうか答えが写ってるようなもんですし。他にもアカウント切り替えのミス、送信するメールのヘッダに名前が乗る設定になってる、特定商取引法に基づく表記、ツイキャス中誰かに本名呼ばれちゃう、などなど色々ありますね。

現実の知り合いをネット上で特定してしまったケースは、特徴的な固有名詞をなにそれと思って検索してみたら激突してしまった、ということが多いです。

具体的にいうと、むかしむかしあるインターネットに前略プロフィールというガラケー向けSNSとして機能していたサービスがあったんですけど、ここに知り合いの子がcbydkwysとエンドレスに書き続けていて、何を言ってんのかなと検索してみたら一寸先は特定です。千葉雄大カワユスという意味だったんですけど、そんな言葉を使っているのはこの子の腐女子ライフ100%中の100%ブログ以外は世界に一つもなかった、ということです。「彼氏と乙女ロードでデートwwwwwBL本買わせる羞恥プレイしたったwwwwwwwww」みたいな内容でした。本人に伝えたら、物凄い勢いで動揺しながらブログを削除したが念のため確認したGoogleのキャッシュには残ったままでかつそれを消す手立てがなくパニック状態となっていました。大学の所属してるサークル名なんかも特徴的な固有名詞なので、検索したら先輩のブログに衝突というのも発生しました。「そんなことないよ侍」などの自分以外の人間が使わない特徴的なワードを口にしたりブログに書いたりするとこういうことが起きます。

昨年印象的だった特定は3つあります。一つは、ツイキャスから発生していて、本名、顔写真、居住自治体、在学中の学部が特定されました。ツイキャスは、配信者にアイテムを投入するとサポーターになるというのがデフォルトの仕様になっていて、複数アカウントを切り替えて配信者に大量のコインを投入したためそれらがすべてサポーターになり、そのなかには本名のアカウント・Facebookのアイコンと一致するアカウントがあった、という流れです。

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特定が発生したら、だいたいこんな感じで本人に伝えて気をつけてくださいと言います。自分が他人にわかられるということは結構自分にはわからないものみたいですね。ちなみに「何個か間違ってますが〜」というのは単なるブラフです。全部合ってます。こういうのを小出しにしていく遊びなどはしません。

二つ目は、自己開示した情報の掛け算から発生しました。特定内容は先程と同様です。「この2chまとめに通っている大学載ってる」「下の名前は○○」「学祭の実行委員やってた」と本人が発言していたんですけど、これらを掛け合わせて、某大学の学祭のパンフレットを探してみるとこれがweb上にあって、そのスタッフ一覧の中に下の名前が○○の人物がひとりだけいた、という手順です。たぶんおしゃべり好きの人って自分がいつどこでだれに何をなぜどのように言ったか言ってないかを把握してなくて、ちりも積もればやまとなでしことなって、こうなるということですね。

三つ目は、人間セキュリティホールというかヒヤリハットというかみたいなところから発生しました。発生したと言うか、これについてはかなり能動的にやりました。本人に伝えてはいない上に再現性があるので手順は具体的には書けません。Twitterで僕と相互フォローの人が、とある人Aと喧嘩をしていて、どういう流れ弾が発生するかわからないので、出来る範囲でAを特定して自衛しておけないもんかなーとやってみたらできました。Aと仲がいいと思われる人Bがわりと特定についてゆるいスタンスで、このBが公開している情報を眺めていったらそこにはAの本名や顔写真があって、検索してみたら勤務先が確定となった、という流れです。結果として、流れ弾などは特に発生しなかったので世界は平和で良かったです。

このように特定は起きます。匿名でやっていきたい人は以上などの点に気をつけて、治安の良いインターネットをお過ごしください。治安の悪いインターネットでは、█████が寛解したと自称する███者の███が████てきたりします。

アイドルのライブを見てきました

 Twitterで言っていたように、MIGMA SHELTERというアイドルグループのワンマンライブ「ORBIT TOUR 2018 HIMEHAJIMIX in TOKYO @TSUTAYA O-WEST」を見てきました。

 ライブに行くこと自体だいぶ久しぶりで、発券済みの前売りチケットを持っていくという概念ともなると殊更で、これが完全に頭からすっぽ抜けた状態で渋谷に到着しました。忘れたことに気づいた道玄坂のラブホ街の坂で、ためらいながら上り降りを繰り返して、今日は無駄足でロスカットしてとっとと帰るか?それとも当日券ぶっこむか?とぐるぐる考えていたんですけど、むざむざ当日券を買って入場しました。結果としては、それで良かったと思います。

MIGMA SHELTERは、現There There Theres元BELLRING少女ハートと同じ事務所AqbiRecに所属するアイドルグループで、2017年の4月から活動開始し、2018年1月現在は神聖かまってちゃんなどが所属するインディーズレーベルと業務提携中と、結構なスピードで登りつめている感があります。パフォーマンス的には、全楽曲のBPMが144で固定されていて、クラブでDJがやるように曲と曲の継ぎ目がなくなるようフェードインするように重ねてミックスして、MCはあまりなしでそのまま出演時間を歌って踊って突き抜ける、というライブを繰り広げています。このスタイルはアイドル界では斬新らしく(友人談)、「サイケデリック・トランスで踊り狂えるアイドル」という看板の内訳はそういうことです。知ったのはTwitterからで、niituという好きな服のブランドがあるのですが、これが衣装を提供しているということ、相互フォローにAqbiのファンがいてちょこちょこ情報が流れてくることなどから興味をもちました。そしてライブ中は撮影自由で、Youtubeにたくさん動画があって見てみたら良いじゃんとなった、という流れです。あと、メンバーのひとりセイセイ(黒)の顔が好きというのがあります。写真ではわからないんですけど、今回生で見たらまつげの端が赤くなっててそれも可愛いなとなっていました。

 アイドルライブに行くのは実質初めてみたいなもんで、友人がプロデュースしている地下も地下なアイドルの出演ライブでサイリウムを振る人やってほしいと言われて行ったりとか、大学の学祭のステージでみたとか、そもそも初ライブ前のスタジオお披露目会に呼ばれたとかそれぐらいしかありません。実際どんな感じなんだろとか思いつつ入場するともう人は週末の夜の電車ぐらいたくさんいて、動けるけど人とはぶつかるし、人が固まってて動けない部分もある、という具合になっていました。せっかく見るならセイセイを見やすい位置にいたいなと思っていたので、動画で予習してあたりをつけておいたステージの右寄りに移動して、ここでTwitterを開いて一息つきました。

 あと久しぶりすぎてライブ用の耳栓も忘れました。ライブやクラブに行く機会がある人はこれ用意しておくこと推奨します。たまにライブ後には耳鳴りが残ってこそ行った実感があるんだ!!!みたいなことを言う人がいますけど、ロックが過ぎてませんかね。夏を実感するために日焼け止めは塗らねえんだ、というようなもんでしょうか。普通にやめたほうがいいと思います。まあ今回は忘れたんですけど。

 会場ではうっすらとMigmaの曲が流れていて、あれ?これからライブやるのにもう曲流しちゃうのとか思っていたんですけど、その効果なのか盛り上がっている人たちがいました。盛り上がっているというのは、まだライブも始まっていないのにタイガーファイヤーサイバーファイバー……っていう例のあの呪文を詠唱していたり、胴上げとか肩車をしていたりするということです。そんなことは激しく演奏しすぎてギタリストが弦も切るし指からちょっと出血もするようなパンクバンドのライブでもなかったので、治安の悪いライブシーンNo1ってアイドル界だったりするのかなーとか思ったりしていました。今になって気づきましたが、オールスタンディングのライブという点でもだいぶ久しぶりでした。そういえば、そういうライブではモッシュとかダイブとかあったりしますね。スタート前にあったことはないですけど。

そんなうちに音が止み、ディレクター田中氏によるアナウンスがあり、メンバーが「ミグマシェルター!」客が「はじまりはじまりー!」とコールアンドレスポンスをして、入場の曲が流れメンバーが踊りながらステージに登場してきました。そんなライブのセットリストと、アンコール含んで90分の動画はこちらです。最前列のど真ん中でライブを90分撮影してくれる有志の動画、ありがたいですね。そして日本には、百聞は一見にしかずということわざがあります。

www.youtube.com

 本当に文字でレポートするより見たほうが早いという感じなんですけど、普通の曲はいいとして、セットリストに4回出てくるMEGA MIXが特徴的な狂気です。テンポが統一されていることをフルに活かして、持ち曲の一部を切って貼って繰り返して時折二曲重ねて同時進行して……ということをやっています。メドレーとはちょっと質が違います。振り付けはだいたい流れている曲に沿ってちゃんと切り替りますが、何かしら自由なことをしている場合もありました。たしかに斬新でした。と言っても、実際のところアイドル界のライブをあまり知らないんですけどね。

曲の進行をこねくり回すというのはZAZEN BOYSのライブでも見ましたけど、それでも二曲つながっていたり、一曲がやたら伸びていたり、信じられないようなブレイクがあったりとかで、曲をまたいであちらこちらに飛ぶというのは無かったと思います。人力のバンドなんですから当たり前なんですけど、こう書いてるとZAZENにやってみてほしくなりました。ていうか対バンしてみてほしいですね。TORIENA、溺れたエビ!、エレファントノイズカシマシなど、なかなか良いところと共演が決まってたりしてたりするので、ワンチャンMIGMA×ZAZENありうるんじゃねって感じがします。

ステージングについては、そもそも曲は良くて、完璧な歌と踊りを見せているのかと言われると決してそういうわけではないですけど、レーザーが飛び交う照明の演出やMEGA MIXのつなぎ等もろもろ含めて良かったと思いました。基本的に、かわいい女の子というそれ単体で良さがある基礎の上に、いろいろな表情を見せながら真剣かつ楽しそうに歌って踊っている、というのが掛け算されている風景なので。今までライブ後のチェキ撮影とかどういう需要なのかよくわからないままに見ていたんですけど、僕も思わずチェキを撮りたい気分になりました。ライブ良かったと一言二言かけて記念に写真撮ってみたい、そういう感情になるものでした。

となると他の客たちはどんなんだったのかというと、熱狂でした。初披露らしき最後の曲と冷静に撮影をしている人を除いて、終始跳ねてるし、モッシュ起きるし、ダイブしてるやつ流れてくるし、スピーカーと同じぐらいの音量の声が客側からも聞こえてくるしといった具合で。振付を真似している人もいました。

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サイケデリック・トランスと標榜するだけあって、この熱狂を保つように曲が設計されているな、という感じがしました。BPMが全曲一定であること、バラードのように歌と歌詞に耳を傾けてボーカルをしっかり聴くタイプの曲ではないこと、これらが踊ることを止まらせないようになっているな、と。こんなもみくちゃになるライブも久しぶりでした。

「僕らにライブならではの良さは特にあるとは思っていないんだけど、音源聞いてればよくないかね、どこに金と時間払う価値を見出してくれているんだろう」というのはステージに立つ側としてよく考えていたことなのですけど、今回ランダム性と視聴覚以外の部分がこそがライブだよなあ思いました。音を聴きたい踊りを見たいというだけならインターネットで完結するわけですし。現実は動画より画質がいい、渋谷の小奇麗なライブハウスのPAの音響はたいがい良い、画質音質を良くするためにはプレミアム会員にという点もあるんですけど、その先ですね。物理的に体が押される音の中にいる、そういう触覚で感じる良さです。 ライブ後の接触を待ってる人もたくさんいたので、これもそうでしょう。あとセイセイがステージからこちら身を乗り出してきたときにふわっといい匂いが漂ったので、嗅覚で感じたこともあります。あれ油断すると好きになるやつですね。そして飯が出れば五感全押さえだったんですけど、さすがにそれはなかったです。

本当にあっという間の一時間は、今回発売の「ORBIT EP」でも最後の曲となる「Cosmic Forest」でフェードアウト&暗転して終りとなりました。BPM144の2拍3連で6/8拍子風になってて拳法風の振付と民謡調の歌が印象的なパートと、4つ打ちのパートと、メンバーが倒れ込むリズムレス&ハーフタイムのパートが切り替わり、普通に考えると終わりにするしかありえないような曲想で、この先この曲どう繋いでいくのかな?という楽しみが生まれました。それを楽しみと感じてしまっている時点で、見事ハマってしまったんだなという感じです。

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そのあとは、舞台挨拶&発表、そしてアンコール、再度挨拶という流れでした。ツアーが東京に一本追加、あとCMJKが新曲をプロデュースするとのことです。アンコールは四回目のMEGA MIXで、今回のツアーをもって卒業するヨネコ(赤)がテッドのきぐるみで登場し、どんどん脱いで最終的に水着姿で踊っていました。アンコール後には酒樽が出てきましたが割ってみたら空っぽで、ファンからの花束が渡され、客をバックにステージ側から写真を撮って締めておしまいとなりました。

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ライブ終了後の本当の最後には特典会があって、写真撮影や物販などの列が迅速に作られ、各位並べという状態になりました。けど今回のライブでは開演前物販という概念があり、こちらの方でMサイズのTシャツやメンバーとのチェキ券はあらかた売り切れとなってしまっていたので、EPと缶バッジを買っておきました。今更ながらひとつ買っておけばよかったなと思うのは、ボーカルレスCDも売られていたことです。これの位相を反転してミックスすれば、ボーカルトラックが抽出できるはずなので、実際やるかどうかは別としてもリミックスが格段にしやすくなるからです。探せばやってる人がすでにいそうですけども。

そんなこんなで、ミグマシェルターのライブですが良かったです。ただし、音楽性もあってできる限り長尺で見たい感じですね。このままBPM144を保って突き進んでほしいなと思いました。

2017年によく聴いた曲でよかったやつまとめ

前書き

今年聴いた曲のなかで、「お、これを聞いてる今は良い時間を過ごしているな」となって繰り返し聴いたものをまとめて紹介します。とは言っても今年に出た曲ではなく、あくまでも僕が今年に聴いたというだけなので、既知の可能性は大いにあります。今のシーンの最前線には何が起きてて何があるのかよく知りません。それでは以下に羅列します。順不同です。

Indialucia

India + Andaluciaでインディアルシア。インディアとはご存知インドのことで、アンダルシアとはスペイン南部のフラメンコや闘牛の発祥の地。ポーランド人のフラメンコギタリストが率いる、インド音楽とフラメンコ、あと中東のパーカッションなどが混在する創作民族音楽プロジェクトです。

フラメンコもインド音楽というくくりのどちらも、どちらかというと大半の人々の興味を削ぐ方向に作用するかと思います。ここにロックとフラメンコとインド音楽がある、どれを聴く?となれば圧倒的多数がロックを選ぶでしょう。そういうカテゴリがあることは知っていても、人生の中で自分が相対することはまずないし、たとえTwitterのタイムラインに流れてきても、自然と脳がスルーしている。その興味のわかなさを意図的に殺して、せっかくだからと聴いてみてほしいのがこちらです。

 

 

どちらもindialuciaのアーティスト名をそのままタイトルに冠したファーストアルバムに収録されている曲です。これに登場する楽器は、フラメンコに用いられるギターとカホン(とピアノと手拍子)、インド音楽に用いられるシタールとタブラ。そしてこれらがばっちり組み合わさって、ハイテンションでアツい感じの演奏を繰り広げています。

アルバムに収録されている曲のバリエーションは広く、いかにも民族音楽といった雰囲気の歌の曲や、変拍子フラメンコ、パーカッションが順番に超絶ソロを繰り広げる、といったものがあります。

Tatopani

インディアルシアにつづいて、こちらも創作民族音楽グループです。創作民族音楽というフレーズはどちらかというと人々の興味を削ぐ方向に以下略なんですけど、これはまた違ったことをやっています。 二人のアメリカ人と一人のオーストラリア人が旅の末にたどり着いた日本で結成されたというタトパニは、三人ともジャズができるマルチ楽器奏者で、いろんな民族楽器が入れ代わり立ち代わりしながらも、ジャズを基調としたかなり小奇麗で聞きやすい感じの曲に仕上げています。

タトパニは三枚のアルバムを出していて、一作目はさきほど述べた三名、二作目は三名+曲によってはゲストミュージシャン、三作目は三名+ピアノが加入とメンバーが変わっているので、アルバムによって雰囲気が違います。特に三作目は民族音楽感よりもジャズっぽさ・西洋音楽っぽさが高くなっています。

 

残念ながらYoutubeにあるものは、すべて+ピアノの編成でのライブを少し試聴できるだけという感じでした。実際にはこの曲9分半あります。パーカッションによる漂うような無国籍ビートの上で、ソプラノサックスとピアノとがソロを繰り広げる一曲です。

Storz「Ultramarine」

これについてはアーティスト単位ではなくて、単にハマった一曲です。Storzと書いてなんて読むのでしょう。ストルツでいいんでしょうかね。ここ二年ほどは音楽活動はどうやらしていないっぽいのですが、Storzは日本のいわゆるピコピコ電子音楽チップチューンの作曲者です。2015年にbandcamp上で発表されたEP「Ambush」の一番最後の曲、Ultramarineにドはまりしました。

cheapbeatsmusic.bandcamp.com

こちらのリンクをクリックするという一手間をわざわざかけて、5曲目のUltramarineをぜひ聴いてみてください。

チップチューンは、ゲームボーイファミコンのBGM風になるように、あるいは実機を使って、音色も同時発音数も少ない中でどのようなバリエーションを繰り広げていくのか、という縛りゲーです。ですからこの曲も、4パートしかありません。そして音色も、そこらへんの家電のアラームのようなチープな電子音です。にもかかわらず、終始なんだかやたらエモく、EPのエンディングにとてもふさわしい感動的な一曲です。

Mingus Big Band「Moanin'」

続いてもハマった一曲です。ミンガス・ビッグ・バンドのモーニン。Nostalgia In Times Square(1993)というアルバムからの一曲なのですが、アーティスト名にも曲名にもディスコミュニケーションが発生しそうなややこしさが含まれています。

Mingusというのはチャールズ・ミンガス(1979年没)という著名なジャズベーシストのことなのですが、ミンガス・ビッグ・バンドにチャールズ・ミンガスは在籍していません。チャールズ・ミンガスの曲を演奏するビッグバンド、ということなのです。そしてさらに、ジャズでモーニンというと、アート・ブレイキーのモーニンという圧倒的に有名なアルバムのタイトルチューンの同名異曲があるのです。むろんそちらも名曲中の名曲で、先に知ったのはそっちだったのですけど、こちらのモーニンもとても良かったです。

ジャズというと、イントロがあり、曲の元のメロディがあり、メロディとコード進行をもとにした各楽器のアドリブソロパートがあり、ふたたび曲の元のメロディに戻り締める、というのが一般的な構成です。奏者の裁量が大きく、クラシック音楽のように、二つ以上のメロディが調和するような編曲を譜面通りにカッチリ演奏するというようなことはそんなに多くありません。しかしチャールズ・ミンガスは、その多くない方の人です。複数のメロディが折り重なるアレンジは頻出し、場合によってはフリージャズかよこれ自由すぎない?という感じのときもあります。そしてさらに、これはビッグバンドという大所帯による演奏なので、全パートが音を出しているときと、一人きりで音を出している時の音圧差が極めて大きく、めまぐるしく息をつく暇もないような迫力のある一曲となっています。

 

冒頭部分からバリトンサックスがフィーチャーされ、ゴリゴリの低音をきかせたソロからはじまります。ドラムとトロンボーンが入り、ベースとサックスが入り、と展開していきます。どんどん音圧が上がりカオスになってきたところでスッと抜けてアドリブソロパートに移行し……というように進行していきます。9分となかなかボリュームのある長さですが、退屈に感じることはなくすぐに過ぎてしまいます。

laica breeze

ライカブリーズは、2004年から2005年の間に5枚の音源を出して活動停止してしまった1MC+1DJでかなりポップス寄りのラップユニットです。例えるなら、同時期に活躍していたSOUL'd OUTから、アクを前抜きしてその分だけ爽やかさと疾走感で埋めたような感じでしょうか。当時よく有線放送かなにかで流れていてこれいいなと思っていたのを、大人になった今大人買いして収集しました。

歴史に埋もれてるっぷりがすごくて、現在活動中のグループでセルフカバーしているライブ動画を除いて、Youtubeにまったく音源やPVがありません。しかしながらなぜかニコニコの方にはありました。

 

これは代表曲のひとつで、スウェーデンのポップバンドのカーディガンズの有名曲「カーニバル」をサンプリングした一曲です。本当はsummer of loveというのが超名曲かつ一番耳にしたやつなのでこれを紹介したかったのですけど、探しても見つかりませんでした。近年流行りのフリースタイルダンジョンのように、ビートの中に言葉を詰め込んでいくのではなく、全体的に歌っぽくスムーズに流れていく感じです。また、全体的にトラックのリズムギターがやたら利いている点も特徴的です。

Sound Schedule

サウンドスケジュールは日本のロックバンドで、2006年に解散、2011年に再結成し現在活動中なんですが、知名度はどんなもんなんでしょう。そんなにメジャーではないと思うんですけど、今年、このバンドのボーカルギターが炸裂していたので、結構知られるようになっているのかもしれません。それをきっかけに久々にまた聴いてみたという感じです。炸裂したというのは、けものフレンズのオープニングを作詞作曲していたということです。

 

www.youtube.com

これはどちらも再結成前の若い頃の曲なのですが、バンドサウンドはシンプルな、歌モノロックバンドという感じです。今現在の音楽性がどうなっているのかわかりません。それしか持ってなかったので。というか、今年は大量の音楽データを外付けHDD移行するにあたって、普通にコピーアンドペーストをしたら、途中でペーストに失敗したうえにコピー元のデータが消えているという事案が発生して、サウンドスケジュールの音楽データも完全なる無になってしまいました。

Rei「Illustrated woman」

またもハマった一曲です。順不同なので。Reiシンガー・ソングライター兼ギタリストで、ジャズやブルースなどのルーツ・ミュージックの影響を感じさせる曲を作っています。これはアコースティックギターによるシンプルなギター弾き語りで、僕の中でアップテンポかつジャッキジャキのリズムギターが利いていてたまらない曲ベストスリーにランクインしました。残り二つはミッシェル・ガン・エレファントのシャンデリヤと、ジミ・ヘンドリックスのキリング・フロアー(モントレー版)で、この二つはエレキギターで男ボーカルロックバンドなんですけど、女ボーカルアコギ弾き語りのこれもそれに負けず劣らずかっこいいです。

 

ジョニー・ウィンターというブルースミュージシャンの曲をカバーしています。原曲はIllustrated 'man'でしたが、こちらではもじってwomanになっています。聴き比べてみると、よく元の曲にこんなジャキジャキのギターリフをぶち込んだもんだなあ、となります。

Phuture「Acid Tracks」

アシッドハウスという電子音楽の一ジャンルのきっかけになったのがこの曲です。かつてTB-303というベースを自動演奏させられるシンセサイザーがあり、おもに練習するときの伴奏のお供として使われていました。ある時偶然にもTB-303からは奇怪なサウンドを発生させられるということに気づいたDJが、そちら方面に全振りして生まれたのがこれだそうです。

 

ドラムマシンとベースのみと、パートに分けると実にシンプルで、1:10秒ぐらいまではドラムマシンのビートが続きます。そこから入ってくる異常に音色が変化するベースサウンドをTB-303が発生させていて、10分少々その変化で押し通すというなんとも強引な曲です。これはTB-303にベースラインをプログラミングして自動演奏させて、音色を決定するツマミをリアルタイムに動かすことによって起きます。このような音色変化するベースのことをアシッドベースと呼び、電子音楽のなかで一つの類型となりました。耳にしたこと自体はこれまでにもおそらくあったはずなんですけど、一つのフォーマットとして確立されているものという前提のうえであらためて聴いてみると、これいいな!!やってみたい!!となるものでした。手前味噌ですが僕もマネてみたのがあります。よければ聴いてみてください。

 元はこちらです。

 

 

Romano dandies

ロマノ・ダンディーズはフランスのジプシー音楽バンドです。ロマというのはインド・アーリア人系のヨーロッパに多く在住する移動型民族、すなわちジプシーのことで、ダンディーズというのはダンディな人たちのことです。そのままですね。公式サイトがフランス語なので詳しい情報はほぼわからないのですが、Youtubeのチャンネル登録者数が37人で動画の再生回数が500回行ってないところとか、サウンドクラウドの最高再生回数も592回というのを見ると、メジャーな存在ではないことはおそらく間違いないと思います。

ジプシー音楽というとどちらかというと大半の人々の興味を削ぐ方向に以下略なんですけど、独特の哀愁感漂うメロディや強烈で急かされるようなリズムが特徴的でかっこいいです。

スラップ奏法しまくりのコントラバス、やたら歯切れのよいギター、歌いちらかすアコーディオン&バイオリンというジプシー音楽としては標準的な感じの4人組で、他の曲では歌もあります。この曲のフルバージョン……というかちゃんとミックスされてて売りもんじゃねえのこれというクオリティのデモ音源っぽいのがサウンドクラウドにかっちり8曲アップロードされていて、そちらではちゃんと聞けます。以下のリンクからどうぞ。

www.romanodandies.com

 

Shantel

続いてもジプシー音楽の人なのですが、さきほどのロマノダンディーズとは一線を画しています。シャンテルはDJで、ジプシー音楽にリズムマシンや低音やエフェクトを追加したクラブミックスの作成や作曲をしています。していますと言っても、どうもここ10年ぐらい音沙汰がないよう……と思ってちゃんと検索してみたら、日本語版の発売元が変わってるだけでした。現役でやってて、最近はトルコ音楽の影響を受けたアルバムを出したようです。

ざっくりいうと、一昔前にビレバンによくあった、スウィング・ジャズをリミックスしたエレクトロスウィングみたいな感じです。エレクトロスウィングは、日曜日朝TBS系でやってるサンデー・ジャポンのオープニングのアレです。話はさらに逸れますが、ジプシー・スウィング・ジャズをエレクトロにしているCaravan Palaceというグループもまた良いです。

 

 

話を戻しますが、これがシャンテルの曲です。一聴してみるとべつに普通の曲じゃん?という感じですが、サビのバッキングの管楽器やサックスのソロにジプシーテイストが詰まっています。普通っぽいというのはすなわち聞きやすいということで、とっつきやすくて良いことかもしれません。日本で人生を過ごすと基本的に西洋音楽のルールを身に着けることになると思うんですけど、そこからかけ離れた雅楽とかミャンマーの歌謡曲とかのアジアの伝統音楽を耳にするとなにこれ聞き所やルールがわからんぞ???となったりしますし。

 

 

 あとがき

とりあえず勢いで書いたのはこんなところまでです。今年はCDを結構たくさん入手してはいるんですけど、大半はインド系で、そんなにちゃんと聞けてないのが実際のところです。今年発表された音源はほぼなにも入手していないんですけど、・・・・・・・・・(ドッツトーキョーなどと呼ばれています)というアイドルグループが「         」(半角スペース9個) という1stアルバムの無料ダウンロードキャンペーンをやっていてこれは聞きました。おおむねオルタナシューゲイザー+エレクトロ+かわいい系ボーカルという感じで、なかなか良かったです。

ほかにもこの先追記したりするかもしれません。