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2017年によく聴いた曲でよかったやつまとめ

前書き

今年聴いた曲のなかで、「お、これを聞いてる今は良い時間を過ごしているな」となって繰り返し聴いたものをまとめて紹介します。とは言っても今年に出た曲ではなく、あくまでも僕が今年に聴いたというだけなので、既知の可能性は大いにあります。今のシーンの最前線には何が起きてて何があるのかよく知りません。それでは以下に羅列します。順不同です。

Indialucia

India + Andaluciaでインディアルシア。インディアとはご存知インドのことで、アンダルシアとはスペイン南部のフラメンコや闘牛の発祥の地。ポーランド人のフラメンコギタリストが率いる、インド音楽とフラメンコ、あと中東のパーカッションなどが混在する創作民族音楽プロジェクトです。

フラメンコもインド音楽というくくりのどちらも、どちらかというと大半の人々の興味を削ぐ方向に作用するかと思います。ここにロックとフラメンコとインド音楽がある、どれを聴く?となれば圧倒的多数がロックを選ぶでしょう。そういうカテゴリがあることは知っていても、人生の中で自分が相対することはまずないし、たとえTwitterのタイムラインに流れてきても、自然と脳がスルーしている。その興味のわかなさを意図的に殺して、せっかくだからと聴いてみてほしいのがこちらです。

 

 

どちらもindialuciaのアーティスト名をそのままタイトルに冠したファーストアルバムに収録されている曲です。これに登場する楽器は、フラメンコに用いられるギターとカホン(とピアノと手拍子)、インド音楽に用いられるシタールとタブラ。そしてこれらがばっちり組み合わさって、ハイテンションでアツい感じの演奏を繰り広げています。

アルバムに収録されている曲のバリエーションは広く、いかにも民族音楽といった雰囲気の歌の曲や、変拍子フラメンコ、パーカッションが順番に超絶ソロを繰り広げる、といったものがあります。

Tatopani

インディアルシアにつづいて、こちらも創作民族音楽グループです。創作民族音楽というフレーズはどちらかというと人々の興味を削ぐ方向に以下略なんですけど、これはまた違ったことをやっています。 二人のアメリカ人と一人のオーストラリア人が旅の末にたどり着いた日本で結成されたというタトパニは、三人ともジャズができるマルチ楽器奏者で、いろんな民族楽器が入れ代わり立ち代わりしながらも、ジャズを基調としたかなり小奇麗で聞きやすい感じの曲に仕上げています。

タトパニは三枚のアルバムを出していて、一作目はさきほど述べた三名、二作目は三名+曲によってはゲストミュージシャン、三作目は三名+ピアノが加入とメンバーが変わっているので、アルバムによって雰囲気が違います。特に三作目は民族音楽感よりもジャズっぽさ・西洋音楽っぽさが高くなっています。

 

残念ながらYoutubeにあるものは、すべて+ピアノの編成でのライブを少し試聴できるだけという感じでした。実際にはこの曲9分半あります。パーカッションによる漂うような無国籍ビートの上で、ソプラノサックスとピアノとがソロを繰り広げる一曲です。

Storz「Ultramarine」

これについてはアーティスト単位ではなくて、単にハマった一曲です。Storzと書いてなんて読むのでしょう。ストルツでいいんでしょうかね。ここ二年ほどは音楽活動はどうやらしていないっぽいのですが、Storzは日本のいわゆるピコピコ電子音楽チップチューンの作曲者です。2015年にbandcamp上で発表されたEP「Ambush」の一番最後の曲、Ultramarineにドはまりしました。

cheapbeatsmusic.bandcamp.com

こちらのリンクをクリックするという一手間をわざわざかけて、5曲目のUltramarineをぜひ聴いてみてください。

チップチューンは、ゲームボーイファミコンのBGM風になるように、あるいは実機を使って、音色も同時発音数も少ない中でどのようなバリエーションを繰り広げていくのか、という縛りゲーです。ですからこの曲も、4パートしかありません。そして音色も、そこらへんの家電のアラームのようなチープな電子音です。にもかかわらず、終始なんだかやたらエモく、EPのエンディングにとてもふさわしい感動的な一曲です。

Mingus Big Band「Moanin'」

続いてもハマった一曲です。ミンガス・ビッグ・バンドのモーニン。Nostalgia In Times Square(1993)というアルバムからの一曲なのですが、アーティスト名にも曲名にもディスコミュニケーションが発生しそうなややこしさが含まれています。

Mingusというのはチャールズ・ミンガス(1979年没)という著名なジャズベーシストのことなのですが、ミンガス・ビッグ・バンドにチャールズ・ミンガスは在籍していません。チャールズ・ミンガスの曲を演奏するビッグバンド、ということなのです。そしてさらに、ジャズでモーニンというと、アート・ブレイキーのモーニンという圧倒的に有名なアルバムのタイトルチューンの同名異曲があるのです。むろんそちらも名曲中の名曲で、先に知ったのはそっちだったのですけど、こちらのモーニンもとても良かったです。

ジャズというと、イントロがあり、曲の元のメロディがあり、メロディとコード進行をもとにした各楽器のアドリブソロパートがあり、ふたたび曲の元のメロディに戻り締める、というのが一般的な構成です。奏者の裁量が大きく、クラシック音楽のように、二つ以上のメロディが調和するような編曲を譜面通りにカッチリ演奏するというようなことはそんなに多くありません。しかしチャールズ・ミンガスは、その多くない方の人です。複数のメロディが折り重なるアレンジは頻出し、場合によってはフリージャズかよこれ自由すぎない?という感じのときもあります。そしてさらに、これはビッグバンドという大所帯による演奏なので、全パートが音を出しているときと、一人きりで音を出している時の音圧差が極めて大きく、めまぐるしく息をつく暇もないような迫力のある一曲となっています。

 

冒頭部分からバリトンサックスがフィーチャーされ、ゴリゴリの低音をきかせたソロからはじまります。ドラムとトロンボーンが入り、ベースとサックスが入り、と展開していきます。どんどん音圧が上がりカオスになってきたところでスッと抜けてアドリブソロパートに移行し……というように進行していきます。9分となかなかボリュームのある長さですが、退屈に感じることはなくすぐに過ぎてしまいます。

laica breeze

ライカブリーズは、2004年から2005年の間に5枚の音源を出して活動停止してしまった1MC+1DJでかなりポップス寄りのラップユニットです。例えるなら、同時期に活躍していたSOUL'd OUTから、アクを前抜きしてその分だけ爽やかさと疾走感で埋めたような感じでしょうか。当時よく有線放送かなにかで流れていてこれいいなと思っていたのを、大人になった今大人買いして収集しました。

歴史に埋もれてるっぷりがすごくて、現在活動中のグループでセルフカバーしているライブ動画を除いて、Youtubeにまったく音源やPVがありません。しかしながらなぜかニコニコの方にはありました。

 

これは代表曲のひとつで、スウェーデンのポップバンドのカーディガンズの有名曲「カーニバル」をサンプリングした一曲です。本当はsummer of loveというのが超名曲かつ一番耳にしたやつなのでこれを紹介したかったのですけど、探しても見つかりませんでした。近年流行りのフリースタイルダンジョンのように、ビートの中に言葉を詰め込んでいくのではなく、全体的に歌っぽくスムーズに流れていく感じです。また、全体的にトラックのリズムギターがやたら利いている点も特徴的です。

Sound Schedule

サウンドスケジュールは日本のロックバンドで、2006年に解散、2011年に再結成し現在活動中なんですが、知名度はどんなもんなんでしょう。そんなにメジャーではないと思うんですけど、今年、このバンドのボーカルギターが炸裂していたので、結構知られるようになっているのかもしれません。それをきっかけに久々にまた聴いてみたという感じです。炸裂したというのは、けものフレンズのオープニングを作詞作曲していたということです。

 

www.youtube.com

これはどちらも再結成前の若い頃の曲なのですが、バンドサウンドはシンプルな、歌モノロックバンドという感じです。今現在の音楽性がどうなっているのかわかりません。それしか持ってなかったので。というか、今年は大量の音楽データを外付けHDD移行するにあたって、普通にコピーアンドペーストをしたら、途中でペーストに失敗したうえにコピー元のデータが消えているという事案が発生して、サウンドスケジュールの音楽データも完全なる無になってしまいました。

Rei「Illustrated woman」

またもハマった一曲です。順不同なので。Reiシンガー・ソングライター兼ギタリストで、ジャズやブルースなどのルーツ・ミュージックの影響を感じさせる曲を作っています。これはアコースティックギターによるシンプルなギター弾き語りで、僕の中でアップテンポかつジャッキジャキのリズムギターが利いていてたまらない曲ベストスリーにランクインしました。残り二つはミッシェル・ガン・エレファントのシャンデリヤと、ジミ・ヘンドリックスのキリング・フロアー(モントレー版)で、この二つはエレキギターで男ボーカルロックバンドなんですけど、女ボーカルアコギ弾き語りのこれもそれに負けず劣らずかっこいいです。

 

ジョニー・ウィンターというブルースミュージシャンの曲をカバーしています。原曲はIllustrated 'man'でしたが、こちらではもじってwomanになっています。聴き比べてみると、よく元の曲にこんなジャキジャキのギターリフをぶち込んだもんだなあ、となります。

Phuture「Acid Tracks」

アシッドハウスという電子音楽の一ジャンルのきっかけになったのがこの曲です。かつてTB-303というベースを自動演奏させられるシンセサイザーがあり、おもに練習するときの伴奏のお供として使われていました。ある時偶然にもTB-303からは奇怪なサウンドを発生させられるということに気づいたDJが、そちら方面に全振りして生まれたのがこれだそうです。

 

ドラムマシンとベースのみと、パートに分けると実にシンプルで、1:10秒ぐらいまではドラムマシンのビートが続きます。そこから入ってくる異常に音色が変化するベースサウンドをTB-303が発生させていて、10分少々その変化で押し通すというなんとも強引な曲です。これはTB-303にベースラインをプログラミングして自動演奏させて、音色を決定するツマミをリアルタイムに動かすことによって起きます。このような音色変化するベースのことをアシッドベースと呼び、電子音楽のなかで一つの類型となりました。耳にしたこと自体はこれまでにもおそらくあったはずなんですけど、一つのフォーマットとして確立されているものという前提のうえであらためて聴いてみると、これいいな!!やってみたい!!となるものでした。手前味噌ですが僕もマネてみたのがあります。よければ聴いてみてください。

 元はこちらです。

 

 

Romano dandies

ロマノ・ダンディーズはフランスのジプシー音楽バンドです。ロマというのはインド・アーリア人系のヨーロッパに多く在住する移動型民族、すなわちジプシーのことで、ダンディーズというのはダンディな人たちのことです。そのままですね。公式サイトがフランス語なので詳しい情報はほぼわからないのですが、Youtubeのチャンネル登録者数が37人で動画の再生回数が500回行ってないところとか、サウンドクラウドの最高再生回数も592回というのを見ると、メジャーな存在ではないことはおそらく間違いないと思います。

ジプシー音楽というとどちらかというと大半の人々の興味を削ぐ方向に以下略なんですけど、独特の哀愁感漂うメロディや強烈で急かされるようなリズムが特徴的でかっこいいです。

スラップ奏法しまくりのコントラバス、やたら歯切れのよいギター、歌いちらかすアコーディオン&バイオリンというジプシー音楽としては標準的な感じの4人組で、他の曲では歌もあります。この曲のフルバージョン……というかちゃんとミックスされてて売りもんじゃねえのこれというクオリティのデモ音源っぽいのがサウンドクラウドにかっちり8曲アップロードされていて、そちらではちゃんと聞けます。以下のリンクからどうぞ。

www.romanodandies.com

 

Shantel

続いてもジプシー音楽の人なのですが、さきほどのロマノダンディーズとは一線を画しています。シャンテルはDJで、ジプシー音楽にリズムマシンや低音やエフェクトを追加したクラブミックスの作成や作曲をしています。していますと言っても、どうもここ10年ぐらい音沙汰がないよう……と思ってちゃんと検索してみたら、日本語版の発売元が変わってるだけでした。現役でやってて、最近はトルコ音楽の影響を受けたアルバムを出したようです。

ざっくりいうと、一昔前にビレバンによくあった、スウィング・ジャズをリミックスしたエレクトロスウィングみたいな感じです。エレクトロスウィングは、日曜日朝TBS系でやってるサンデー・ジャポンのオープニングのアレです。話はさらに逸れますが、ジプシー・スウィング・ジャズをエレクトロにしているCaravan Palaceというグループもまた良いです。

 

 

話を戻しますが、これがシャンテルの曲です。一聴してみるとべつに普通の曲じゃん?という感じですが、サビのバッキングの管楽器やサックスのソロにジプシーテイストが詰まっています。普通っぽいというのはすなわち聞きやすいということで、とっつきやすくて良いことかもしれません。日本で人生を過ごすと基本的に西洋音楽のルールを身に着けることになると思うんですけど、そこからかけ離れた雅楽とかミャンマーの歌謡曲とかのアジアの伝統音楽を耳にするとなにこれ聞き所やルールがわからんぞ???となったりしますし。

 

 

 あとがき

とりあえず勢いで書いたのはこんなところまでです。今年はCDを結構たくさん入手してはいるんですけど、大半はインド系で、そんなにちゃんと聞けてないのが実際のところです。今年発表された音源はほぼなにも入手していないんですけど、・・・・・・・・・(ドッツトーキョーなどと呼ばれています)というアイドルグループが「         」(半角スペース9個) という1stアルバムの無料ダウンロードキャンペーンをやっていてこれは聞きました。おおむねオルタナシューゲイザー+エレクトロ+かわいい系ボーカルという感じで、なかなか良かったです。

ほかにもこの先追記したりするかもしれません。