████が好きな物事を書きます

████(U_Plus_2588)が好きなことや好きな物について書きます。

アイドルのライブを見てきました

 Twitterで言っていたように、MIGMA SHELTERというアイドルグループのワンマンライブ「ORBIT TOUR 2018 HIMEHAJIMIX in TOKYO @TSUTAYA O-WEST」を見てきました。

 ライブに行くこと自体だいぶ久しぶりで、発券済みの前売りチケットを持っていくという概念ともなると殊更で、これが完全に頭からすっぽ抜けた状態で渋谷に到着しました。忘れたことに気づいた道玄坂のラブホ街の坂で、ためらいながら上り降りを繰り返して、今日は無駄足でロスカットしてとっとと帰るか?それとも当日券ぶっこむか?とぐるぐる考えていたんですけど、むざむざ当日券を買って入場しました。結果としては、それで良かったと思います。

MIGMA SHELTERは、現There There Theres元BELLRING少女ハートと同じ事務所AqbiRecに所属するアイドルグループで、2017年の4月から活動開始し、2018年1月現在は神聖かまってちゃんなどが所属するインディーズレーベルと業務提携中と、結構なスピードで登りつめている感があります。パフォーマンス的には、全楽曲のBPMが144で固定されていて、クラブでDJがやるように曲と曲の継ぎ目がなくなるようフェードインするように重ねてミックスして、MCはあまりなしでそのまま出演時間を歌って踊って突き抜ける、というライブを繰り広げています。このスタイルはアイドル界では斬新らしく(友人談)、「サイケデリック・トランスで踊り狂えるアイドル」という看板の内訳はそういうことです。知ったのはTwitterからで、niituという好きな服のブランドがあるのですが、これが衣装を提供しているということ、相互フォローにAqbiのファンがいてちょこちょこ情報が流れてくることなどから興味をもちました。そしてライブ中は撮影自由で、Youtubeにたくさん動画があって見てみたら良いじゃんとなった、という流れです。あと、メンバーのひとりセイセイ(黒)の顔が好きというのがあります。写真ではわからないんですけど、今回生で見たらまつげの端が赤くなっててそれも可愛いなとなっていました。

 アイドルライブに行くのは実質初めてみたいなもんで、友人がプロデュースしている地下も地下なアイドルの出演ライブでサイリウムを振る人やってほしいと言われて行ったりとか、大学の学祭のステージでみたとか、そもそも初ライブ前のスタジオお披露目会に呼ばれたとかそれぐらいしかありません。実際どんな感じなんだろとか思いつつ入場するともう人は週末の夜の電車ぐらいたくさんいて、動けるけど人とはぶつかるし、人が固まってて動けない部分もある、という具合になっていました。せっかく見るならセイセイを見やすい位置にいたいなと思っていたので、動画で予習してあたりをつけておいたステージの右寄りに移動して、ここでTwitterを開いて一息つきました。

 あと久しぶりすぎてライブ用の耳栓も忘れました。ライブやクラブに行く機会がある人はこれ用意しておくこと推奨します。たまにライブ後には耳鳴りが残ってこそ行った実感があるんだ!!!みたいなことを言う人がいますけど、ロックが過ぎてませんかね。夏を実感するために日焼け止めは塗らねえんだ、というようなもんでしょうか。普通にやめたほうがいいと思います。まあ今回は忘れたんですけど。

 会場ではうっすらとMigmaの曲が流れていて、あれ?これからライブやるのにもう曲流しちゃうのとか思っていたんですけど、その効果なのか盛り上がっている人たちがいました。盛り上がっているというのは、まだライブも始まっていないのにタイガーファイヤーサイバーファイバー……っていう例のあの呪文を詠唱していたり、胴上げとか肩車をしていたりするということです。そんなことは激しく演奏しすぎてギタリストが弦も切るし指からちょっと出血もするようなパンクバンドのライブでもなかったので、治安の悪いライブシーンNo1ってアイドル界だったりするのかなーとか思ったりしていました。今になって気づきましたが、オールスタンディングのライブという点でもだいぶ久しぶりでした。そういえば、そういうライブではモッシュとかダイブとかあったりしますね。スタート前にあったことはないですけど。

そんなうちに音が止み、ディレクター田中氏によるアナウンスがあり、メンバーが「ミグマシェルター!」客が「はじまりはじまりー!」とコールアンドレスポンスをして、入場の曲が流れメンバーが踊りながらステージに登場してきました。そんなライブのセットリストと、アンコール含んで90分の動画はこちらです。最前列のど真ん中でライブを90分撮影してくれる有志の動画、ありがたいですね。そして日本には、百聞は一見にしかずということわざがあります。

www.youtube.com

 本当に文字でレポートするより見たほうが早いという感じなんですけど、普通の曲はいいとして、セットリストに4回出てくるMEGA MIXが特徴的な狂気です。テンポが統一されていることをフルに活かして、持ち曲の一部を切って貼って繰り返して時折二曲重ねて同時進行して……ということをやっています。メドレーとはちょっと質が違います。振り付けはだいたい流れている曲に沿ってちゃんと切り替りますが、何かしら自由なことをしている場合もありました。たしかに斬新でした。と言っても、実際のところアイドル界のライブをあまり知らないんですけどね。

曲の進行をこねくり回すというのはZAZEN BOYSのライブでも見ましたけど、それでも二曲つながっていたり、一曲がやたら伸びていたり、信じられないようなブレイクがあったりとかで、曲をまたいであちらこちらに飛ぶというのは無かったと思います。人力のバンドなんですから当たり前なんですけど、こう書いてるとZAZENにやってみてほしくなりました。ていうか対バンしてみてほしいですね。TORIENA、溺れたエビ!、エレファントノイズカシマシなど、なかなか良いところと共演が決まってたりしてたりするので、ワンチャンMIGMA×ZAZENありうるんじゃねって感じがします。

ステージングについては、そもそも曲は良くて、完璧な歌と踊りを見せているのかと言われると決してそういうわけではないですけど、レーザーが飛び交う照明の演出やMEGA MIXのつなぎ等もろもろ含めて良かったと思いました。基本的に、かわいい女の子というそれ単体で良さがある基礎の上に、いろいろな表情を見せながら真剣かつ楽しそうに歌って踊っている、というのが掛け算されている風景なので。今までライブ後のチェキ撮影とかどういう需要なのかよくわからないままに見ていたんですけど、僕も思わずチェキを撮りたい気分になりました。ライブ良かったと一言二言かけて記念に写真撮ってみたい、そういう感情になるものでした。

となると他の客たちはどんなんだったのかというと、熱狂でした。初披露らしき最後の曲と冷静に撮影をしている人を除いて、終始跳ねてるし、モッシュ起きるし、ダイブしてるやつ流れてくるし、スピーカーと同じぐらいの音量の声が客側からも聞こえてくるしといった具合で。振付を真似している人もいました。

f:id:U_Plus_2588:20180105185058j:plain

f:id:U_Plus_2588:20180105185555j:plain

サイケデリック・トランスと標榜するだけあって、この熱狂を保つように曲が設計されているな、という感じがしました。BPMが全曲一定であること、バラードのように歌と歌詞に耳を傾けてボーカルをしっかり聴くタイプの曲ではないこと、これらが踊ることを止まらせないようになっているな、と。こんなもみくちゃになるライブも久しぶりでした。

「僕らにライブならではの良さは特にあるとは思っていないんだけど、音源聞いてればよくないかね、どこに金と時間払う価値を見出してくれているんだろう」というのはステージに立つ側としてよく考えていたことなのですけど、今回ランダム性と視聴覚以外の部分がこそがライブだよなあ思いました。音を聴きたい踊りを見たいというだけならインターネットで完結するわけですし。現実は動画より画質がいい、渋谷の小奇麗なライブハウスのPAの音響はたいがい良い、画質音質を良くするためにはプレミアム会員にという点もあるんですけど、その先ですね。物理的に体が押される音の中にいる、そういう触覚で感じる良さです。 ライブ後の接触を待ってる人もたくさんいたので、これもそうでしょう。あとセイセイがステージからこちら身を乗り出してきたときにふわっといい匂いが漂ったので、嗅覚で感じたこともあります。あれ油断すると好きになるやつですね。そして飯が出れば五感全押さえだったんですけど、さすがにそれはなかったです。

本当にあっという間の一時間は、今回発売の「ORBIT EP」でも最後の曲となる「Cosmic Forest」でフェードアウト&暗転して終りとなりました。BPM144の2拍3連で6/8拍子風になってて拳法風の振付と民謡調の歌が印象的なパートと、4つ打ちのパートと、メンバーが倒れ込むリズムレス&ハーフタイムのパートが切り替わり、普通に考えると終わりにするしかありえないような曲想で、この先この曲どう繋いでいくのかな?という楽しみが生まれました。それを楽しみと感じてしまっている時点で、見事ハマってしまったんだなという感じです。

f:id:U_Plus_2588:20180105192227j:plain

f:id:U_Plus_2588:20180105192500j:plain

そのあとは、舞台挨拶&発表、そしてアンコール、再度挨拶という流れでした。ツアーが東京に一本追加、あとCMJKが新曲をプロデュースするとのことです。アンコールは四回目のMEGA MIXで、今回のツアーをもって卒業するヨネコ(赤)がテッドのきぐるみで登場し、どんどん脱いで最終的に水着姿で踊っていました。アンコール後には酒樽が出てきましたが割ってみたら空っぽで、ファンからの花束が渡され、客をバックにステージ側から写真を撮って締めておしまいとなりました。

f:id:U_Plus_2588:20180105194024j:plain

f:id:U_Plus_2588:20180105195206j:plain

f:id:U_Plus_2588:20180105194318j:plain

ライブ終了後の本当の最後には特典会があって、写真撮影や物販などの列が迅速に作られ、各位並べという状態になりました。けど今回のライブでは開演前物販という概念があり、こちらの方でMサイズのTシャツやメンバーとのチェキ券はあらかた売り切れとなってしまっていたので、EPと缶バッジを買っておきました。今更ながらひとつ買っておけばよかったなと思うのは、ボーカルレスCDも売られていたことです。これの位相を反転してミックスすれば、ボーカルトラックが抽出できるはずなので、実際やるかどうかは別としてもリミックスが格段にしやすくなるからです。探せばやってる人がすでにいそうですけども。

そんなこんなで、ミグマシェルターのライブですが良かったです。ただし、音楽性もあってできる限り長尺で見たい感じですね。このままBPM144を保って突き進んでほしいなと思いました。